イスラエル旅行記 〜Part.5 死海〜
カウチサーフィンのオムリと彼の友達とのシャバドディナーが終わり、
夜の12時くらいに家に戻った。
安息日で殆どの人は運転しない(宗教上許されていない)ため、
帰り道、車は僅かしか見かけなかった。
その日は本当に長い一日で疲れたため、家に着いてすぐに寝た。
翌朝、起きて窓の外を見てビックリした。
昨日の夜は、暗くてよく見てなかったが、ザ・乾燥地帯が目に入った。
部屋の窓からの景色
もちろんあくまでも居住区なので、住宅はあるがその数は少なく、
こんな乾燥した土地に、普通に人が住んでいる事実に驚いた。
朝ごはんを一緒に食べながら、私はオムリに何故ここに住んでいるのかを聞いた。
ずっとエルサレム中心に住んでいたが、長年付き合っていた恋人と別れ、
環境を変えたくなり、静かで、家賃も安いここに引っ越したそうだ。
朝ごはんを食べ終わると、オムリは「死海ツアーをしよう!」と言った。
死海までのドライブが最高に好きらしい。
家を出て暫く車で走ると、死海が見えてきた。
死海は、地表で一番低い場所(海抜−430m!!!)であり、
湖の東岸はヨルダン・西岸はイスラエルが接している。
死海は溺れる事が不可能だと有名だが、
それは海抜の低さから水が外に流れ出る事はなく、
また、この暑さで水が蒸発し、塩分濃度が高くなったとされる。
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因みに死海は湖面低下の深刻な問題を抱えている。
美容・工業製品のため、湖水が大量に汲み上げられている事が影響しているそうだ。
このままでは、2050年に消滅するとの意見も出ている程である。
両国はこれに対応し再生計画を打ち立てたが、政治状況から現在は頓挫している。
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死海までの道の景色
道中には「海抜−◯m」という表記が沢山あり、それを見ながら、
「マントラのに近づいている‼︎」と思ってワクワクした。
海抜−430mだから、耳が痛くなるとか、何か身体の異変があるかと期待したが、
全くもって普通であった…
途中高台に寄り道して、炎天下の中ビール(彼はもちろんノンアル)を飲んだ。
最高の気分だった。
車のCMを撮影している?
映画の世界にいる?
別の惑星を探検している?
・・・そんな気分になっていた。
二人とも南米の曲が好きだったから、
暑いがお構いなく、窓を少し開けて、歌いながらドライブをした。
イスラエルの曲もいっぱい教えてくれた。
そんなこんなで、死海の観光客用の入浴可能なビーチに到着した。
シーズンではないので、観光客はそれほど見かけなかった。
水に入る前に「絶対顔を触るな」「傷口ないか今一度確認して」とか色々言われた後、
恐る恐る入水した。
一瞬で痛みを感じた。足の裏に若干の擦り傷があったようだ。
普通の海水は、塩分3%程度なのに対し、死海は30%らしい。
海水が130gなら30gも塩だよ?
って考えてみたものの、漠然となんか凄そう…と感じただけだった。
浅瀬では大量の塩が見える。
私は肩までゆっくりと入っていった。
徐々に水が私の体を強く押し返して来た。
そして水はなんとも生ぬるかった。
半身浴に適した温度だった。(25〜30℃)
近くには南米から来た家族がはしゃいでいて、高校生くらいの娘が、
「アソコが痛いーーーーー」とスペイン語で叫んでた。
とても気持ちはわかるけど。
穴という穴はすべて痛い。
少し目に水がかかった時は、目をつむってもう開ける事は出来ない。
オムリに「ウォーター!!ヘルプミー!!」って叫んで、
ペットボトルを持って来て、顔面に大量に水をかけて貰う。
そうしてやっと目を開ける事が出来た。
死海のこの超新感覚はもちろん楽しいのだが、
私はこれに負けず、死海ドライブが最高に心躍った。
違う惑星なのか?ってツッコミたくなるような景色。
こんな世界があったん??!!ほんで自分知らずに死ぬとこやったん??!!
この高揚感に中毒となって、気がつけば旅に出たくなる自分がいる。
死海に浮かびながら見た夕暮れ